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Vol8. いちごのババロア

 

イチゴのお菓子シリーズも、ずいぶん数が増えて来ましたが、第6弾はいちごのババロアです。イチゴの酸味とミルク、卵黄、生クリームたっぷりの生地の甘みが絶妙にマッチしていて、それに更にホイップした生クリームを添えて食べると大変豪華で結構なデザートになります。

単にババロアを作るだけならそれほど難しくないんですが、今回はタイトル写真のようにキレイなマーブル模様を出そうとしたので、コツをつかむまでなかなか大変でした。材料を混ぜる時のタイミングが問題なんです。そのへんも、ばっちし解説していますので、参考にして下さいね。

 

 

★材料★ 直系21cmのリング型1個分

本体 : 牛乳 300cc、 生クリーム 200cc、卵黄 5個、グラニュー糖 150g、

粉ゼラチン 15g、熱湯 45cc、レモン汁 1/2個分、いちご 300g(1パック)

 

飾付け用 : 生クリーム100cc、グラニュー糖 10g、いちご 300g(1パック)

※リング型は冷蔵庫に入れて冷やしておく。

※いちごは合計2パック必要になります。

リング型ではなく、小さいカップに小分けする場合は、飾り用材料はいりません。

 

 

 

作り方 : 

 

1. イチゴは洗ってヘタを取り、縦に切っておく。

※つぶした後、電子レンジにかけるので、耐熱ボールに入れておくと手間が省けます。

 

 

2.スプーンの背で軽く押さえてイチゴの丸みをつぶす。

※切り口の模様は、仕上がった時に表面に浮き上がると大変キレイなので、できるだけ崩さないようにしておきましょう。あくまで、ふくらみを軽く押さえて丸みをつぶす程度で留めておくのが、マーブル模様を出す第一のコツです。

 

 

3.ミルクを火にかけ、沸騰直前まで弱火で暖める。

※煮立たせないように注意して下さい。

 

4.ボール、もしくは鍋に卵黄とグラニュー糖を入れ、白っぽくなってもったりするまで泡立て器で掻き立てる。

 

5.写真くらいにもったりしてきたら、暖めておいたミルクを少量加える。

 

 

6.ミルクが馴染んだら、残りも加えてよく混ぜる。

 

 

7.6.を弱火にかけて、木じゃくしでナベ底からゆっくり掻き混ぜるようにしながら、とろみがつくまで煮詰めてゆく。

※この時、絶対に沸騰させないように、ごくごく弱火を使うのがコツ。火が強かったり、掻き混ぜるのを中断したりすると、卵が分離してスクランブルエッグのようになってしまいます。

※このあたりは、基本のアイスクリームを作った時と同じ手順です。

 

 

8.20〜30分ほど煮詰め、表面のアワが消えて透明感のある液状になって来たら、火からおろす。

 

 

9.レモン汁を加えて混ぜる。

 

 

10.粉ゼラチンに熱湯45ccを加えて、液状になるまでよく混ぜる。

※ゼラチンの戻し方は製品によって違う場合があるので、それぞれの指示に従って下さい。

※熱湯を加えて液状にすると、タネとよく混ざって扱いやすいので、特に指示がない場合は混ぜる直前にこのようにして戻すのが良いでしょう。

※製品によっては、暖かい液体に加える時は直接で構わないという指示がある場合がありますが、ゼラチンの量が多いとダマになってしまうことがあるので、一旦熱湯で溶かしてから使う方が安心です。

 

 

11.9に、ゼラチンを加えてよく混ぜる。

 

 

12.全体によく混ざったら、漉す。

 

 

13.これが、漉した後の生地。本来はここでボールの下に氷を入れた別のボールを置いて、ゆっくり掻き混ぜながら冷やすが、イチゴを混ぜ込むタイミングがあるので、今回はこの時点では氷をあてず、しばらくこのまま放置して冷ましておく。

※ここで氷をあてて冷やし、もったりして来たら器に移して冷蔵庫で固めると、ミルクババロアになります。

 

 

14.2でつぶしておいたイチゴを2〜3分レンジにかけ(600Wの場合)、70〜80度に暖める。生クリームは軽く泡立てて、写真くらいのとろみをつける。

※イチゴに熱を通すのは、酵素を破壊してゼラチンと混ぜた時に固まりやすくするためです。

※生クリームはあまり堅く泡立てる必要はありません。

 

 

15.14の作業が終わったら13のボールに氷を入れた別のボールをあててゆっくり掻き混ぜながら冷やし、生クリームと同程度のとろみがついてきたら混ぜ合わせる。

 

 

16.15の生地が写真のようにカスタードクリーム状態になったら、暖めておいたイチゴを加える。

このタイミングが、キレイなマーブル模様を出す第二のコツです。

 

17.イチゴを加えたら、木じゃくしでざっと混ぜる。

※あくまで軽く混ぜ合わせる程度で留めて下さい。混ぜ込みすぎるとイチゴと生地の色が混ざりすぎてしまい、キレイな模様になりません。混ぜ込む時の力加減が第三のコツです。

 

18.色ムラがあるなという程度に混ざったら、冷やしておいたリング型にざっと水を通して水気を切り、生地を移す。 

 

 

19.冷蔵庫に入れて、最低2〜3時間冷やす。

 

 

20.固まったら、型ごと熱湯にさっと通し、型から抜く。

※熱湯に通しても抜きにくい場合は、ケーキカード(プラスチック製)のような極力平たいものを型とババロアの間に深く差し込み、空気を入れるように軽く引き起こすと抜きやすくなります。ただし、この時、本体を傷つけないように注意して下さい。

 

 

21.飾り用のホイップクリームを泡立て、波型か星型口金で周囲にぐるりと搾り出します。残りは中央の穴にたっぷりと盛り、その上にイチゴを飾り付けます。イチゴの乗せ方は、タイトル写真などを参考にして下さい。

※ボールや生クリームは冷たい方が泡立てやすいので、ボールは使う前に冷蔵庫で冷やし、生クリームも使う直前に冷蔵庫から出すようにしましょう。こうすると10分くらいで泡立てることが出来ます。

※あまり激しく掻き立てないで、軽くホイップするようにします。特に、しぼり出しで模様を描くような場合は、激しく掻き立てたクリームだと空気が入りすぎてキレイに模様が出ません。このため、ハンドミキサーより泡立て器で丁寧に泡立てるのが美味しく作るコツです。

 

以上で、華やかなイチゴちゃんのババロアが完成しました。ここでは、春らしく華やかなマーブル模様を出していますが、いちごをミキサーにかけてピューレ状にし、同様に暖めてから完全に生地と混ぜ合わせると、淡いピンク一色の仕上がりになります。小分けして小さい器で冷やす時などは、この方が作りやすいでしょう。このように完全に生地と混ぜるとイチゴの酸味はかなりおさえられ、甘みの強い仕上がりになります。また、ミルクや生クリームを減らしてイチゴの比率を上げるほど、ピンク色が濃くなるので、お好みに合わせて仕上がり色は工夫してみて下さい。

あやぼーはババロアってあまり好きじゃなかったんですが、今回は自分で作ったこともあるのか、これはとても美味しく感じました。特に、生クリームを添えて食べたのが良かったかもしれません。酸味の苦手な方は、こうすると食べやすいようですよ。あと、ババロアの堅さはゼラチンの量を12〜15gの間くらいで加減すると、多少調整できるでしょう。このへんも、どのあたりが一番美味しいかは、お好み次第って感じですね。

 

2007.5.31.

photo : 2007.5.13.+5.25.-5.26.

layout : 2007.5.30.

 

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