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Tart Variation Vol2. チーズのタルト

   

2007年頃から、このページを作ろうと思ってチーズのタルトに挑戦してたんですが、これがなかなか難しいのなんの。とりあえずはチーズケーキの体裁に仕上がるし味もなかなか良いんですけど、焼きあがりが全然キレイにならない。火が強すぎるとまだらになったり、かと言って火が弱いとイマイチ味が良くなかったり...。それに、スポンジケーキだと金串などを刺してみて何もくっつかなければ焼きあがったと分かるじゃないですか。でも、このチーズタルトの場合はタルト台に詰めるフィリングがクリームチーズを主体としているので、焼きあがっても熱いうちは中身が溶けてて串を刺すとくっついて来ちゃうんです。冷めると固まってくるんですが、最初のうちはそれを知らないものだから、あれ〜、なんで焼きあがらないの〜とかって随分悩みました。結局、何回か作ってるうちに気がつきましたけどね。

そういうわけで、このチーズタルトは中身を作るのは簡単なわりに、オープンの火加減ひとつで実にいろいろな見た目の作品が出来上がってしまいます。言いかえれば、火加減と焼き時間で最終的な外見と味が決まるということでしょう。以下では、基本的な作り方を紹介していますので、焼き方はいろいろ試して好みの味を見つけて下さいませ♪

★材料★

●直径21cmのタルト型に生地を敷いたもの1個

生地はパート・シュクレ 350g (基本分量の2/3、基本分量と作り方についてはこちらを参照して下さい。)

生地の敷き方はTart Variation Preを参照して下さい。

(このタルトはフィリングと一緒に焼くので、空焼きの必要はありません。)

     

●チーズ入りフィリング:

クリームチーズ 250g、生クリーム 200cc、牛乳 100cc、

卵黄 大1個(or小2個)、砂糖 100g、小麦粉 25g、塩 一つまみ

レモン汁 30cc、レモン表皮のすりおろし 半個分 (レモン表皮は、表面の黄色い部分のみ使います)

     

 

       

作り方 : 

 

1.クリームチーズを裏漉しする。

※チーズの塊を六〜八等分くらいに切っておくと、作業しやすくなります。

     

 

2.こちらが、裏漉し完了後のクリームチーズ。

     

 

3.鍋に牛乳と生クリームを入れて弱火で温め、温まってきたら2.のクリームチーズを少しずつ加えてよく溶かす。

※牛乳と生クリームは熱くなりすぎないように注意して下さい。軽く温まっている程度で十分クリームチーズを溶かしこめます。

       

 

4.ボールに卵、小麦粉、砂糖を入れ、よく混ぜ合わせる。

※ダマにならないことが大切なポイントです。

     

 

5.写真のように、滑らかになるほど混ざったらOK。

     

 

6.3.を弱火にかけて5.を加え、木じゃくしで時々混ぜながら20分ほど煮詰める。

※木じゃくしで混ぜる時は、鍋底から掬いあげるようにして静かに混ぜましょう。

※火かげんは、ごく弱火をキープして下さい。

ダマが残らず、滑らかであることが美味しさのコツです。木じゃくしの代わりにシリコン製の泡立て器を使ってゆっくり混ぜれば、より滑らかに仕上げることができます。(金属製の泡立て器は、鍋を傷つけるので使わない方が良いでしょう。)

      

 

7.とろっとしてきたら、フィリングの出来上がり。

     

 

8.最後にレモン汁と、レモンの皮をすりおろしたものを加えて混ぜる。

      

 

9.用意しておいたタルト台に流し込んで焼く。

※火加減は180度ぐらい、オープン中段で30分が基本ですが、表面の焼け具合を見ながら調節して下さい。調整範囲は160度〜180度前後、オープン中段か下段というところです。この火加減によって焼きあがり表面の見た目と味が違ってきます。なお、家庭用オープンは設定温度より高めになる場合があるので、少し低めに設定してみて様子を見るのが無難だと思います。

※フィリングはクリームチーズが主体なので焼きあがっても熱いうちは柔らかくなっていて、串を刺すと必ずくっついてきます。煮詰めた時に十分火を通してあるので30分も焼けば十分ですから、気にせずオープンから出して冷ましましょう。冷めると中身は固まってきます。

     

 

10.できあがり♪

      

レモン風味が効いているのが、このタルトのお味の決め手です。レモンの酸味とケーキの甘みが絶妙のバランスで、あやぼー的にはマキシムのル・ロワイヤルに匹敵するぞと、ものすごく気に入ってたりします。特にコーヒーと相性が良いので、ぜひ、お試しになってみて下さい。

ところで、下の写真を見て頂くと分かるように、同じフィリングを使っているのに焼きあがったケーキの見た目が全然違うでしょ? これが焼き加減をいろいろ調整してみた結果の焼きあがり例で、表面が多少まだらになっていても切り分けるとけっこうキレイには見えます。でも、見栄えという点では自分的にまだ納得できていないので、今後もいろいろ試してみるつもりです。チーズケーキと一言で言っても作り方はいろいろあって、焼き加減ひとつで味もずいぶん違ったりすることを考えると、なかなか奥が深いもののようですね。

 

2011.5.19.-5.20.

photo : 2007.3.23.+10.21.+11.26.+2008.11.25.

layout : 2011.5.18.+ 5.19.

      

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