第2回  ハーブティのお話

すっかり秋も深まって来た今日この頃、暖かい飲み物が恋しい季節になりましたね。

紅茶やコーヒーも良いのですが、あまり遅い時間になってから飲むと眠れなくなるというのが困ったところ。そこで今回は秋の夜長に楽しむハーブティをご紹介してみましょう。

もうすっかり暮らしの中にも定着した感のあるハーブティですが、雑貨屋さんやデパートでも見かける最もポピュラーなハーブティ、「ポンパドール」のパッケージでは、日本におけるハーブティの歴史を以下のように語っています。

「1969年11月、日本に初めて"ハーブ・ティ"を輸入したのが、日本緑茶センター株式会社でした。欧米では、ヒッピーなどに代表されるサブ・カルチャーが時代をリードし、"バック・トゥ・ネイチャー(自然に帰ろう)"というムーブメントが大きな波となって日本にもやって来ました。"ハーブ"はカリフェオルニアのヒッピーたちがそのシンボルとして世界的な流行にしましたが、ドイツでは既に1957年よりティーバック・マシーンの発明で世界中に知られるティーカネ・グループのポンパドール社が世界で初めてのダブルチェンバーのハーブ・ティーバックを生産していました。しかし、日本では1980年代の後半以降まではハーブティを知る人は少なく、当社が"フラワー・ティ"と名付けて少しずつ全く新しい飲み物として一人一人に試飲して頂きながら広めて参りました。その意味からポンパドールは"ハーブティの代名詞"というキャッチフレーズで知られるようになりました。」

確かに私がハーブティを愛飲するようになったのも80年代頃からで、たまにお邪魔していたレストランで「食後にエスプレッソなどを頂くと夜眠れなくて...」、とお話しすると、「それではハーブティなど如何でしょうか」と教えて頂いたのが始まりです。

当時からカモミールやベルベーヌなどを愛飲していましたが、最近では種類も増えて、用途に合わせてブレンドされたものなどを量り売りしてくれるお店なども見かけます。特に夜よく眠れるようにブレンドされたハーブティは私にとって必需品で、いつも常備してあるくらいです。

ところでハーブティの場合、紅茶よりも多種多様な香りを持っていますので、使われているハーブの種類によっては香りが合わなくて飲みにくいというものにも出くわしてしまうことがあります。ですからあまり飲んだことがないという方は先ほどご紹介したポンパドールのティバック・シリーズなどから入られるのが良いのではないでしょうか。カモミールやベルベーヌなどが抵抗なく飲めますが、他にもハイビスカスやフルーツ、ミント、レモンバームなど様々な種類があり、どれも比較的飲みやすいものばかりです。ティ・バックなので夏なら水出しでもアイス・ハーブティにすることができますね。カモミールなどには沈静効果があるのでグッドナイトティとも呼ばれ、眠りを促進したり軽い解熱効果もあるようです。また更に様々なハーブティを楽しみたい場合、30グラムくらいから量り売りしてくれるお店や最近ではデパートなどで試飲させてくれるコーナーもあるので、少量を試しに飲んでみてから気に入ったものをお求めになるのが賢い方法だと思います。習慣的に飲むものの他は、一度にあまり量を買わないのも常に新鮮なお茶を楽しむためのコツと言えるでしょう。

さて、ハーブティの入れ方ですが、これは紅茶と変わりがありません。左の写真のような、カップに2〜3杯くらい入る一人分タイプのティ・ポットに対してティ・バックひとつの割合で用い、熱湯を注いで5分ほど蒸らします。紅茶より少し長めに抽出するのが良いようですが、ただホットで飲む場合は必ずこのように沸かしたてのお湯で抽出するようにし、煮出して飲むのは避けるべきだそうです。ハーブティに薬効があることは皆さんご存知だと思いますが、煮出すとこの薬効成分が濃く出すぎてしまうためだとか。またアイスにする場合も紅茶と同じようにお湯で抽出し、氷を入れた耐熱カップに注ぐ方法で飲むことが出来ます。この時、ティ・バックはホットで飲む時の倍の割合で用いると美味しく入るようです。例えば先ほどと同じように一人分タイプのティ・ポットで抽出するなら、ティ・バック一個に対して半分くらいのお湯でOK。氷を入れたカップに注ぐと、最終的には2〜3杯分になるというわけです。

またアイスにする場合、500mlに対しティバック1個の割合で冷蔵庫に入れ、5〜6時間水出しするというやりかたもあります。カモミールやベルベーヌでよくそうやって出していましたが、香りも味もお湯で抽出した場合とそれほど変わりません。

ホットにしてもアイスにしても普通そのままストレートで飲むのが一般的ですが、甘みが欲しい時はお好みでハチミツを足してみて下さい。砂糖など他の甘味料では出ないまろやかな甘味でハーブの香りとのマッチングも良く、とても美味しくいただけますよ。この時ハチミツを入れるとカモミールなどはかなり色が変わりますが、心配せずに飲んでも大丈夫です。

さてこのページの写真に写っているガラスの器、これ見たら分かると思いますけど、ハニー・ディスペンサーなんです。お気に入りのカフェで出してくれるので便利そうだなと思ってたんですが、最近見つけたので即購入。1800円とわりと値段のはるものでしたけど、ハチミツのパッケージって注ぎにくいものが多いので気に入って使っています。使い方はカンタン。取っ手を持って上のレバーを押さえると注ぎ口を塞いでいる底のフタが動いてハチミツが出てくるというシカケ。こういった形のものの他に、ミルクピッチャーみたいな形でレバーを引くと注ぎ口の押さえが動くというタイプもあります。ところで写真に写っているものは強化ガラスで作ってあるのか、実はフタを閉めようとしてる時に手が滑って思い切り床に叩きつけてしまったのに(よくある)、ヒビも入りませんでした。まあ、あやぼーと同じくらいマが抜けているという方は、何でもそういうタイプを見つけて使うのが無難かもしれません。

様々な香りと健康促進効果もあるハーブティ。秋の夜長に読書でもしながら、あなたも楽しんでみませんか?

2001.8.22+10.8.

tea! tea! tea! vol1. アイスティのお話 <<

Daily Life Worksho Vol3. 「テーブルウエアの研究」 <<

こちらでは、あやぼーお気に入りのティ・セット・コレクションがご覧になれます。

>> tea! tea! tra! vol3. 紅茶のお話 その1

>>TOP PAGE