四の五の言わずに黙って暗記 - 文法なんてカンタンだ!!

基礎篇★その16.前置詞

3.時を表現する前置詞

 

この章では、時を表現するのに使われる前置詞を集めて解説します。

 

1.at / in / within / on    ・・・時間的地点と範囲を表現する

at、in、onは場所を表現するのによく用いられますが、時を表現する場合も同じような感覚的要素を持っています。

 

● at ・・・ 時刻、年齢など、時の流れの中の一点を表現する

「場所を表現するat = 地点」と解説しましたが、時の場合も「時間的な地点」と認識すると覚えやすいでしょう。

ex) at eleven (11時に)、at noon(正午に)、at night (夜に)、at the age of fifteen(15才の時に)

 

● in ・・・ 月、季節、年代など、atよりも長い範囲、期間を表現する

「場所を表現するin = 範囲、空間」と解説しましたが、時の場合も「時間的な範囲」と認識すると覚えやすいでしょう。

ex) in January (1月に)、in spring (春に)、in 1999(1999年に)、

in the days of Queen Elizabeth(エリザベス女王の時代に)、in the age of atomic energy (原子力の時代に)

in the morning (朝に)、in the daytime (昼間に、日中に)、in the evening (夕方に、晩に)

POINT!! ただし、時を表現するinの特殊な使い方で、

I'll be back in an hour. (一時間たったら戻ります)という表現があります。このinは通例「〜後に」と受け取られるようで、これは、

I'll be back within an hour. (一時間以内に戻ります)と比べるとニュアンスに微妙な差が出る点に注意して覚えておいて下さい。

※辞書には「withinはinより明確な表現」と書かれている場合もあるのですが、TOEICでは単に明確かそうでないかではなく、inは「〜経ってから(〜かかって)=〜後に」の意味で用いられる例がよく見られます。このようにwithin とinでは表現内容そのものが根本的に違ってきますので注意が必要です。

 

● within ・・・ 一定の期限を表現する

in の解説でも書いたように、within とinでは表現するニュアンスがまるで違ってきます。区別して覚えておきましょう。

ex) I will be able to turn in this report within a week. 

 (私は1週間以内にこの報告書を提出できるでしょう)

比較) I will be able to turn in this report in a week. (私は1週間すればこの報告書を提出できるでしょう)

  

● on ・・・ 特定の日や時を表現する

曜日や日付などの他、特にmorning, afternoon, evening, night などに修飾語が付いている時はonを用います。「時間的地点」という意味ではatと同様の感覚になりますが、表現する地点がより具体的に説明(特定)されるところに着目して下さい。

ex) on Sunday (日曜日に)、on the first of April (4月1日に)

on a cold morning (寒い朝に)、on a starry night (星の夜に)

 

POINT!! ただし、afternoon, evening などの時を表す語句にthis, that, next, last, every などが付いている時には前置詞は付けません。

ex) last summer (昨年の夏)、every weekend (毎週末)、this afternoon(今日の午後)

 

以上のように確かに法則性と言えばそれらしきモノが見受けられるんですが、at noon、at nightとは言うのに、at morning、at afternoon などとは言わず、これらは通例、in the morning(朝に)、in the afternoon(午後に)、in the evening(夕方に) と言います。そうかと思うと、at night と言うのにin the nightとも言い、修飾語が付くとon a starry night(星の夜に)のように前置詞はonになるとか、はたまたafternoon, evening などにthis, that, next, last, every などが付くと前置詞は付けちゃいかんとか、法則性だけで処理しようとすると混乱して咄嗟に判断出来なくなるのが前置詞というものです。

従って、こういう頻出する表現はリクツで覚えておくよりも、イディオムとして記憶してしまう方が感覚的に身につき、使う時にもすぐ出てきて混乱しません。以下によく使われる慣用的な表現を集めましたので、まるごと体系立てて覚えてしまいましょう。これらと合わせて上の例も丸暗記しておくと応用が利いて便利だと思います。

 

<morning>を使った表現

in the morning (朝に、午前に)、this morning(今朝)、every morning (毎朝)

on Monday morning (月曜の朝に)・・・特定の修飾語が付くとonになる例

cf) on Monday next = next Monday (次の月曜日に) 

 ・・・ on next Mondayとは言いません。これも慣用的な表現だと思うので、このまま記憶しておきましょう。

 

<afternoon>を使った表現

in the afternoon (午後に)、early in the afternoon(昼過ぎに)、in the late afternoon (午後おそくに)、

this afternoon(今日の午後に)、

on Tuesday afternoon(火曜の午後に)、on a May afternoon (5月のある午後に)・・・特定の修飾語が付くとonになる例

 

<evening>を使った表現

in the evening (夕方に、晩に)、this evening (今夕)、toward evening (夕方ごろに)

 

<night>を使った表現

at night / in the night (夜に)、last night (ゆうべ)、the night before last (一昨夜)

at this time of night (夜中のこの時間に)

※「at this time of night」はYou never call me at this time of night unless you need my help very badly. (相当困っているんじゃなきゃ、夜中のこの時間にきみが電話なんてかけては来ないだろう)のように、ひどく遅い時間を表現するのに使います。また、At this time of night?!(夜中のこの時間にかい?!)と一言で言えば、夜中にたたき起こされたりした時に心外な気持ちを表現することもできます。

 

2.by / till (until) / since / from / for / during / through  ・・・期間とその始点、終点を表現する

@)by / till (until)

by (〜までに)は「完了の期限」、till (〜まで)は「期間の終点」を表現します。

ex)

You have to turn in this report by tomorrow. (きみはこの報告書を明日までに提出しなければならない)

We can accept your application till tomorrow. (我々は明日まで貴方の出願(申請)を受付けることができます)

 

A)since / from

since(〜からずっと、〜以来)は「過去のある時点から現在まで継続する事柄の始点」、from(〜から)は「期間の始点、ものごとの出発点」を表現します。なお、since はその性質上、完了形と共に用いられることが多くなります。

ex) 

I've been studying English since April. (私は4月からずっと英語を勉強している。)

We can accept your application from Monday till Friday. (我々は貴方の出願(申請)を月曜日から金曜日まで受付けることができます)

※上例のように、fromは「〜から〜まで」 の意味でよくtill(to)とセットで用いられます。

 

B)for / during / through

for (〜の間)は「一般的な期間」、during (〜の間)は「特定に示された期間」、through(〜を通して、〜の間ずっと) は「期間の始めから終わりまでの継続」を表現します。

ex) 

We worked hard to finish the work for three days. (我々はその仕事を終わらせるのに、3日間一生懸命働いた)

They enjoyed playing tennis during their vacation. (彼らは休暇中に、テニスを楽しんだ)

 比較)They enjoyed playing tennis through their vacation. (彼らは休暇中ずっと、テニスを楽しんだ)

He was honest through his life. (彼は存命中、ずっと誠実だった)

 

前置詞にはこのようにそれぞれ様々なニュアンスを含む用法があります。どのような場合にどれが使われるか習慣的に定まっている場合もあり、これを文法的法則性だけで割り切ることはできません。文法とは「実際に使われている多様な口語表現から、一定の法則性を見出してまとめたものにすぎない」ので、それだけで英語を使いこなそうとすること自体が無謀と言わざるを得ません。前置詞や冠詞を使いこなそうと思うなら、法則性を学ぶと同時に、日ごろから沢山の英文の実例データに触れるよう心がけて下さい。

 

2008.5.13.

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