このコーナーはしゃーると私の日常をフリー・トークでお届けします。

ぼくはおひさまのくるま その3

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★★きみといつまでも篇★★

 

さて、あやぼーに運転を教えてくれたのは、誰ならない、しゃーるくんなのです。

彼がうちに来たころ、先にも書いたように、あやぼーの運転技術は「アブナイ」の、ひとことでした。そんな状態では、高速に乗るなんて考えられないのですが、丁度その頃通勤に使っていた道が、万博公園の横を走っている、とてもコンディションのいい道でした。片側三車線もあって高速と並行しているため、人も殆ど通りません。いわば、高速と同じような道を通勤ですから毎日走るわけです。

始め3速に上げられなかった私も、そのうちに、しゃーるくんがゴーゴー音を立てているのに気がついて来て、「なるほど、このへんでシフト・アップすればいいのね」と分かってきました。しゃーるくんは更に「このへんで4速に上げてね」といわんばかりにまたエンジンをゴーゴー言わせています。「おお、よしよし、ここだな、このへんだな」とまた4速に上げることを覚え、その調子で5速まで、なんなく上げることが出来るようになったのです。シフト・ダウンも然りで、「この曲がり角じゃ、立ち上がる時に力がいるからね」という感じで教えてくれるので、そのへんも、すぐにマスターしました。なんのことは、ありません。教習所の先生なんかより、ずっとしゃーるくんの方が良い先生で、半年習っても出来なかったシフト・アップとダウンを、ひと月もする頃にはすーいすい出来るようになっていたのです。

まあ、確かに、もともとうまいヒトより長く教習所に通ったんですから、そろそろ出来るころにはなっていたのかも知れませんが、それにしてもしゃーるくんは最高の先生でした。習うより慣れろ、というやつかもしれません。

そして、ひと月が過ぎた頃、そう、ありますねー、新車1ヶ月点検。これに、しゃーるくんと行くことになりましたが、しゃーるくんは加古川のディーラーからウチに来ましたので、宝塚から加古川まで走らなければなりません。そうです。なんと、高速を走って行くのです!!!

よく、JAFメイトなどに、苦手運転として高速の料金所でクルマが寄せられないとか書いてあるので、かなり不安な気持ちで私としゃーるくんは1ヶ月点検に向かいました。道に迷うかもしれません。果たしてうまくディーラーまで辿り付けるのでしょうか?!

ところが、そんな不安は無用でした。1ヶ月間、しゃーるくんがていねいに教えてくれたおかげで、料金所はすいすい、高速に乗っても周囲のクルマの迷惑になるほど遅くもなく、気持ちよくぶっとばして加古川に向かいます。途中明石のSAで休憩した時には、もー、すっかりよゆーでしたね。「おお、やはりロードスターともなると、ヒトに教えるのも上手い」、とあやぼーは大満足。細かい運転は今に至るも苦手ですが、ともかくも前に走るのだけは、すっかりマスターしたようでした。

そのようにして、あやぼーとしゃーるくんは絶妙のチームプレーで加古川に辿り付き、帰りもまあまあ無事に走って来れたのでした。

いろいろなクルマに乗りなれておられるジャーナリストの皆さんでも、ロードスターをケナした記事を書かれたのを見たことがありませんから、そういうクロウトさんを納得させてしまう実力がロードスターにあることはもちろんですが、私のような初心者にも、優しく楽しい道の走り方を教えてくれる、そこがロードスターのフトコロの広いところでもあるのでしょう。

さて、クルマというのはほんの数十キロ走るだけでこんなに汚れるのか、と思うくらい、ものすごく砂ボコリにまみれるものなんですね。いちど、夜にクルマを懐中電灯で照らしてみて下さい。洗ったばかりでも一回走ると「うそっ!」と叫びたくなるくらい、ホコリが全面をおおっています。しかも、油膜、これがついたまま乗りつづけていると、それにまたホコリがこびりつき、またその上に油膜とかなって、がんこな汚れになってしまいます。そんな目にしゃーくんをあわせるのは、やはりかわいそう。そういうわけで、ここからはしゃーるくん専属エステティシャンの私が、いかにして彼の美しい新車のお肌をお守りしているか、これについて、お話ししてゆきましょう。

まず、生まれたての時にしておかなければならないのが、全身のポリマー加工です。

もとの塗装の上に一枚薄い膜を作ってあげるんですね。これをしておくと、洗車して拭き取りをする時などの細かなスリぎずはポリマー層につくので、もとの塗装がいたみません。洗車と言っても、ウチの場合、水でじゃばじゃば洗ったりはしません。どうも水がスキ間から入り込んだりして、サビの原因になるような気がして恐いので、水洗いしなきゃならなくなる前に必ず湿らせたペーパータオルで拭き取ることにしているのです。けれどもその前に忘れてはならないのが、毎回走ったあとのダスターがけです。細かなホコリは必ずダスターで飛ばしてからボディカバーをかけてあげます。それでも、屋外の駐車場ではボディカバーがぬれたりすると塗装がいたむ原因になったりしますから、幸運にもみつけた屋内駐車場に殆どの場合は止めています。この駐車場は、しゃーくんがウチに来た当初から借りているのですが、さすがにコンディションが最高なので、ロータス・エリートやコルヴェットなども以前はいました。最近では、しゃーくんと同じVスペシャルも一台止まっています。

時々ウチのカーポートにクルマを止めていて思うことは、雨ってまっすぐ下にふってばかりくれないなあ、というコトです。屋根があってもやっぱりぬれちゃうんですよね。

さて、拭き取りは2〜3回お外に出るたびにします。もちろん全身です。タイヤホールやアルミホイールも拭いたり洗ったりします。

しゃーくんの、おそうじメニューを書いた表を用意しておいて、定期的にチェックをいれますが、10項目くらいありますね。室内クリーニングとか、ホロのおそうじとか、やり残しのないようにしてあげます。こうして、しゃーるくんの美しいお肌が保たれていますが、ヒトコトで「拭き取る」と言っても、けっこう立ったり座ったりで、それに時間もかかるので、めんどくさがりのあやぼーが未だにその方法でお世話しつづけているというのは、キセキ的なことかもしれません。やはり愛、でしょうか...。

ともかくも、これだけは言えます。「汚れる前の細かなお手入れ」、これがクルマを新車状態に保つ秘訣です。その他、降水確率が10パーセント以上の時は外に出ないとか、凍結防止の塩化カルシウムが、まかれる季節には山道を走らないとか、しゃーるとあやぼーの間には、いろいろオキテがあります。もちろん定期的な整備は怠りなく、空気圧のチェックもこまめにやります。点検の時はもちろん私がお医者さん(ディーラー)まで連れていってあげますし、車検の時も送り迎えは当然です。もちろん作業で汚れても水をかけて洗車されたくないのでそのままにしてもらって、連れて帰ってからキレイにしてあげます。

過保護すぎー、とか思われるかもしれませんが、でも、こうしてクルマを大事にしていると整備不良とか、天候のすぐれない時に走って事故に合うとかいう確率もすごく減るような気がしますね。やっぱり仲良く安全に走りたいですから。「しゃーくんを雨にぬれさせて走るくらいなら、私がカサをさして歩く」、というのが、たちばな家のポリシーなのです。ま、要するにしゃーくんにアレコレかまっているのがウレシイということなんですけどね。

そういうわけで、しゃーがウチに来た時から「一生いっしょ」と約束していることもあって、その気で世話しているせいか、「今でも新車です」、で通るくらいキレイ。しゃーくん専属ホーム・エステティシャン(私のことよ)としては、新車のお肌を守るために、このような絶え間ない努力を続けているのです。ロードスターはドレスアップも楽しみなクルマなだけに、いろいろ変えてらっしゃる方も多いと思いますが、うちは「変えない」をひたすらポリシーにしてまして、部品のストックも作るべく、補修部品のリストもディーラーに作って頂いています。

ロードスターがウチに来てからはや8年近く。いいかげん飽きない?とか言われそうだけど、ますます可愛さがつのってゆくばかりで、やっぱり「一生いっしょ」の誓いは破られそうにありません。眺めるたびに「いいなあ...」とため息をつける愛車と出会えたというだけでも私の人生はハッピーだなあ、と改めて思う今日このごろ。クラシック・カーを所有する人も多いけれど、確実にクラシック・カーとして歴史に名を留めるはずの名車と新車の頃からずっといっしょ、というのは、うーん、クルマ好き冥利につきますね。ロードスターを開発して下さったマツダの皆さんには、ただひたすら感謝するのみです。

そういうわけで、私にとってロードスターは「おひさまのくるま」、つまり、You are my sunshine.

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>>おまけ対

*** しゃーるとあやぼー、会話できたらこんなふー、かも。***