こちらのコーナーでは、お洋服にまつわるいろいろなお話を書いていこうと思ってるんですが、まずその第1弾は「古い服のお話」をいたしましょう。

どこかでも書いてましたが、あやぼーはとてもモノもちのいいヒトなんで、十代の頃からのお洋服は殆ど全部とってあったりします。もう今となっては全然着ないものの方が多いんですけど、それぞれに思い出とかあってとても捨てられない。まあ昨今、古着というのもブームと言うよりはすっかり定着した感のあるファッション・カテゴリーのひとつですから、古い服と言ってもまるっきり価値がないってわけでもないですしね。西洋では、子供の頃からの思い出の品をひとつの入れ物に集めておいて、お嫁に行く時に一緒に持っていくホープチェストという習慣があるそうなんですが、私のお洋服コレクションもそれに似たところがあるかもしれません。(ヨメに行く行かないは別として...。)

あやぼーの私的ファッション史でゆくと、十代の頃はそれはもうロリなお洋服をビシバシ着てました。でももう少し年を取ってくると丁度DCブランドなんかが全盛を極めて来た時期だったんで、わりとシンプルで素材のいいお洋服を着るようになりましたね。写真のドット柄のワンピース、今でも全然ふつーに着て歩けそうな雰囲気ですけど、これは稲葉賀惠(いなばよしえ)さんのMOGA時代のデザインで、私にとって初めて買った「高価なお洋服」だったんじゃないかと思います。その時代で 48000円だったんですから、コドモにとっては尚のことなかなか大変な金額。素材は麻で、共布のベルトも付いてたんですけど、写真ではディオールの革のサッシュベルトを合わせています。

コレを見つけた時は一目惚れ状態で、当時はまだまだそんなにお小遣いもないのに、どうしても諦められなくて買っちゃいました。その頃から私の「気に入ったお洋服は、何を置いても見逃せない」というビョーキがぼちぼち出始めていたんでしょう。それはもう気に入っていて大事に着てたんですが、その頃は今みたいに山ほどお洋服を持ってるという状態でもなかったのでけっこうよく着てたのと、夏物ということでどうしても汗ジミとか付いてしまって、一時は随分くたびれた状態になってたんです。で、もう普段着にするしかないか、みたいになってた時に、クリーニング屋さんで古いシミでもキレイになる技術があると教えてもらいトライ。出来上がってみたら本当にシミもすっかり取れていて、ああ、これならってことで、その後コレクションとして保管されることになりました。新品の時はもっと麻の素材に光沢があったんですけど、さすがにそこまではね。でも今でもやっぱり気に入っていて、本当にいいデザインというのは時代を超えるなあと思いつつ、時々ながめて楽しんだりしております。

もし今着るなら、これにアクセサリは革素材のブレスレットとイアリング、それに淡水パールで手作りしたチョーカーを合わせる感じですね。こういう引退したお洋服は、実際には殆ど着る機会ないですけど。

 

 

さて、次は↑のワンピースよりもう少し前に着ていたお洋服です。昔からのロリなお洋服に詳しい方なら覚えておられる名前かもしれませんが、こちらはルイス・キャロルのウールのスカートで、それに今年のメタモルさんの共布フリルブラウスと、ジェーンさんの王冠ネックレスのゴールドを合わせました。ルイス・キャロルのスカートは私が十代に着てたものですから、とんでもなく古いものなんですけど、オーソドックスなデザインなので最近のブラウスでもご覧のように全然違和感なくマッチしてしまいます。今年のジェーンさんのネックレスには、ゴールドにピンク系の汚しがかかっているのでぐっとクラシックな感じで、ワイン系のスカートとよく合いました。

このスカートはね、まあ十代の話ですから、↑のワンピを手に入れた頃よりもっと持ってる服の数って少ないし、毎日のように着てたんで近寄ってみるとかなり傷んでます。だけどそれほど着まくってたわりには今でも全然着れないって状態にはなってないところを見ると、元々の素材がかなりいいものだったってことでしょうね。実際、しっかりした生地ですし。

実はルイス・キャロルのスカートはこの他にも2枚ミニ丈のを持ってまして、一時はそういうのを眺めては、「もうこんなの着れないよなあ」と何回思ったことか。ところが着るものに関してはあつかましいというか、節操がないあやぼーは、そんなコトを言いながら未だにちょこちょこ着ていたりする。そりゃ私だって全然似合わなきゃ着ませんが、自分でもその頃と外見それほど変わったって感じもしないので着れてしまう。

それ考えるとね、「トシ相応」なんてこと言ってちゃ、早くフケこむ元かなあという気もしますね。ジェーンさんの服なんかは、昨今、お子さんのあるママさん世代の方でも、すっごくステキに着てらっしゃる方も多いし、要はセンスと着こなしの問題でしょう。若い頃からオシャレな人はトシ取ってもオシャレなもんですけど、やっぱり着たい服は似合ううちに着まくっとかなきゃね。それこそ本当に似合わなくなってからじゃ着れないんですから。それにオシャレのセンスっていうのは、これまた一朝一夕で身に付くものでもないので、やはり沢山見て、沢山着るってことが必要だと思います。

ところでこのへんのお洋服は私のロリ服歴の始まりみたいな時期のものなんですが、他にも何点か思い出深いお洋服があります。残念ながらその大半はよく着ていたこともあってくたびれてて、ちょっとお見せできないんですけど。スカートやスーツに比べると特にブラウスなんかは全滅状態で、当時は予備とか取ってなかったから、昔のままのコーデというのも今ではちょっと出来ません。そういう経験があるので、最近は気に入ったデザインのブラウスは予備を買っておくとかよくやってます。バッチリ決まったコーデって出来るだけ変えたくないんですよね。

 

 

3点目は↑の2点よりもう少し後になってからの時期のもので、今でもあちこちにお店があるキャサリン・ロスのワンピースです。合わせているハーフ・コートはキャサリン・ハムネットのもの。どちらも十年以上前のものじゃないかな。

最近のキャサリン・ロスは、すっかりふつーっぽいお洋服ばかりになってしまったように思いますが、この頃はけっこうロリっぽい感じのデザインもよくあって、一時期気に入って沢山買ってました。このワンピースも黒の他にボルドーも持ってます。下の写真で見るともっとよく分かると思いますが、今でもジェーンさんあたりから出て来そうな雰囲気のデザインでしょ?

たぶんこの時期からわりとお小遣いがふんだんに使えるようになったので、気に入ったものは何でも買っておくって感じになって、お洋服の数は飛躍的に増えました。それでこちらのワンピなんかも一年に一回着るか着ないかで来てることもあってちっとも傷んでません。

それからこのキャサリン・ハムネットのハーフ・コート、これもけっこう語り草で、実はお色違いが黒の他にピンク、ベージュ、ブルーとあったの。お値段もねー、一着確か55000円くらいした。でも気に入りまくった私は全色買いととのえた上、一番よく着る黒は予備まで買っておくという暴挙をやらかしてしまったんです。そのお値段ですからさすがに素材はフェイク・ファーでも上質で、ものすごく肌触りがいい。最近でもフェイク・ファーのコートってありますけど、ちょっとないよ、こんなにいい素材のは。しかし思えば...。このへんから「お色違いは、ほっておけない」というこれまたビョーキが表面化し出したんでしょうね。おかげで私は始終、洋服びんぼーなのよー。ああ...。

でも、そういう気に入ったのって買って置いておくと、後から思わないところでマッチングのいいお洋服が手に入ったりするんですよね、これがまた。このハーフコートのベージュも今年のジェーンさんのチュール・スカートのアイボリーとお色がどんぴしゃで合ってるので、おお! とか思ってたんですけど、そういうことがあるのでやっぱりついついヤメられません、お色違い買い。

あと合わせてるポシェットですが、これはイタリア製のもので、大昔に偶然ナビオ阪急で見つけて買いました。ロリなお店ではたまにあるウサギやクマのポシェットと同じで、中には殆ど何も入らないんですけどね。だからバッグというよりはアクセサリと言った方がいいかもしれません。ともあれこれもすごく気に入っていて、大事に持っていたので特に傷んだところもナシ。

ってことで、十年以上前のお洋服ですが、今年も一回くらい着て出かけよっかなー、とか思ってたりします。以前もどこかで書いてましたが、私の選ぶ洋服っていうのは、たいていこういうオーソドックスな基本形のものが多く、「流行は避けて通る」というヒトでもあるので、時代に関係なくいつまーでも着れたりするのかもしれません。

 

 

あと、このキャサリン・ロスのワンピよりほんの少し前くらいに凝ってたのがNicole や Zelda といったDCブランドで、下の2点はその頃のものです。まず黒の上下、コレ実はスカートだけがその頃のNicole で、上は今年のジェーンさんのロイヤル別珍燕尾ジャケットと、昨年の別珍リボンとジャボ付きのブラウスを合わせてあります。Nicoleのスカートはモアレ柄みたいのがり込んである素材で、けっこうシックです。元はシルクの白いブラウスを合わせてましたが、ちょうど秋冬もののお洋服ページを作るのでトルソーに着せてたジェーンさんのジャケットとスカートがマッチしそうだったんで、着せてみたらこの通り。実際にはこの上の2点には、今年のチュール・スカートの黒か、同素材の別珍のパンツを合わせるんですけどね。こんなのも出来ないことはない、という例です。素材的にも丁度同じくらいの程度のものなので、わりと違和感なく合わせられます。ちなみにジェーンさんフルセットの方は、Weekend Style 秋の第1弾で出していますので、ご覧になってみて下さい。

 

 

それから、もうひとつの白のブラウスと黒のスカートの方ですが、こちらはZELDA時代の甲賀まり子さんのデザイン。あっさりした開襟のブラウスと、写真ではちょっと分かりにくいですがプリーツのロング・スカートを合わせてます。これに麻のジャケットってのが、当時ちょっと流行ったスタイルだったんじゃないかな? 私も一着、麻の白いジャケット持ってますけどね。今そういう着方するとちょっと古い雰囲気かも。素材がいいんで、それも悪くはないけどな。

こうして見てるとお分かり頂けるかもしれませんが、この頃は特に白と黒のコーデをよく着てましたね。今でも一番この色のコントラストは得意で、今年のジェーンさんの別珍セットは、あやぼー的には一番着やすい色味かなと思ったりします。ま、その反動か最近では、ピンクに赤、よく着てますけど。

そしてこの後、私のお洋服の趣味はセリーヌやバリーなどの海外ブランドにぶっ飛び、更なる散財を繰り返すことになるんですが、そのへんのお話はまたそのうち機会があればということで。ともあれ、こういう昔のお洋服でも、流行追いみたいじゃなく自分の一貫した趣味でまとめてると、わりと時代に関係なく着れていいですよってお話ね。あやぼーの場合、きちっとした基本形を良い素材で作っているメーカーさんが好きなので、昔のNicole と今のJaneが合ったりとかするんだと思います。

ところで皆さんは古いお洋服、どうしてます? オークションとか見てると、今年のジェーンさんでも即売りに出てたりするんで驚きますが(それはこっちは探してるのが安く買えたりしてウレシイですけど)、ちょっと着てみて「似合わない」とかすぐに言っちゃわずに、どうやったら着こなせるかを考えないともったいないなあ、なんて私なんかは思ったりします。あやぼーにしても、買ってから「うー、これはなー」とかいうものも時々ありますが、しばらく置いとくとぴったり合うコーデが出来上がったりして手放せなくなるってことよくありますよ。皆さんもせっかく出会ったお洋服ですから、どうか素敵に着こなして、末長く着てあげて下さいませ。それにいらなくなった古いお洋服なんかは簡単に捨ててしまわずに、出来ればオークションや古着屋さんでリサイクルに回してあげると、案外欲しい方があったりするかもしれません。

 

 

DATA 1.Dress :  \48,000 (MOGA) / Belt : approx .\10,000 (Dior) / Bracelet : 各\2,369 & Earrigns : unknown (jinjin)

2. Blouse : \14,490 (Metamorphose) / Skirt : approx. \18,000 (Lewis Carol) / Necklace : \12,390 (Jane Marple)

3. Dress \39,140 (Katherine Ross) / Coat : \56,650 (Katherine Hamnett) / Bag : unknown

4. Jacket \38,640 & Blouse : \16,590 (Jane Marple) / Skirt : unknown (Madam Nicole)

5.Blouse : \19,000 & Skirt \24,000 (ZELDA) / Belt : approx.\10,000 (Dior)

 

2005.10.20.

photo2005.6.25.+9.26.+10.13.

 

>> Essay Vol2.オークションで見つけたお気に入り・その1