四の五の言わずに黙って暗記 - 文法なんてカンタンだ!!

基礎確認篇★その13.冠詞

2.基本的な用法

 

冠詞の種類とそれぞれの特性については前章で解説しました。ここでは、定冠詞と不定冠詞の代表的な用法についてお話しましょう。

定冠詞の用法

@) 「特定」のものにつく

@ 前出の名詞を指す

I met a girl the other day and I found out that the girl was your niece after that. 

(先日私はある少女と出会ったが、後になってそれがきみの姪だったと知った。)

 

A 習慣的に指している対象が明らかな場合

I need to see the doctor. (医者に行かなければならない。)

 

B 「of + 名詞」や関係詞によって限定されている場合

London is the capital of England. (ロンドンは英国の首都だ。)

 

C 世界でただ1つしかないものを表す場合

ex) the sun、the earth、the sky

 

D 形容詞の最上級や序数が付いている場合

Jane is the tallest girl in our class. (ジェーンは我々のクラスで一番背が高い。)

 

A) 「〜というもの」の意味で、その種類全体を代表的に指す

ex) The dog is a faithful animal (犬というものは忠実な動物である。)

  = A dog is a faithful animal.

  = Dogs are faithful animals.

上例のように、不定冠詞、冠詞なしの複数形も同じ働きをします。

 

B) 「the + 形容詞」で「〜な人(単数)」「〜な人々(複数)」を表す

ex) The accused was acquitted. (被告は無罪となった。)

  The rich, the well-known and the able are gathered at the party. 

  (そのパーティには、金持ち、有名人、有力者たちが集まっていた。)

 

C) 「the + 形容詞」で「〜なもの、こと」を表す ・・・ 抽象名詞的な扱い

ex) He has an eye for the beautiful. (彼には審美眼がある。)

 

E)  「the + 単数普通名詞」が抽象名詞的な意味を表す

ex) The pen is mightier than the sword. (ペンは剣よりも強し。= 文は武より強し。)

この他にも、the father(父性愛)、 the mother(母性愛)、 the man(男らしさ)、 the woman(女らしさ)、 the fox(ずるがしこさ)のように、多数の例があります。

 

F) 「by the + 単位」で「〜単位で」の意味を表す

ex) The shop sells beads by the dozen. (その店ではビーズをダース単位で売っている。)

 

G) 慣用句

ex) in the afternoon(午後に)、by the way(ところで、ついでながら)、in the distance(遠くに)、in the dark(暗がりで)、 

  catch a person by the hand (arm、collar)(人の手[腕、えり]をつかむ)

 

2.不定冠詞の用法

@) 単数可算名詞に付けて、不特定のひとつのものを表す

ex) He bought a house. (彼は家を買った。)

この場合の不定冠詞には「ひとつ」という数量的な限定は希薄です。従って、特に訳文に反映させる必要はありません。

 

A) @)の場合と違い、「ひとつの」という数量的な意味をはっきりと示す

ex) In a word, he is a fool. (一言で言えば、彼はバカだ。)

 

B) 定冠詞の用法A)同様に、「〜というもの」という意味でその種類全体を代表する

ex) A whale is a mammal. (クジラは哺乳動物だ。)

 

C) 「〜につき = per」の意味を表す

ex) We usually eat three times a day. (我々はふつう一日に三回食事をとる。)

 

D) 「ある〜 = a certain、some」の意味を表す

ex) In a sense, he was right. (ある意味では、彼は正しかったのだ。)

 

E) 「a(an) + 有名人の名前」で「〜のような人」、「a(an) + ふつうの名前」で「〜という人」を表す

ex) I met a Mr. Robertson at the convention and I thought that he was a Kennedy.

(その会議でロバートソンという人に会ったが、私は彼をケネディのような人だと思った。)

 

F) 慣用的な用法

@ 「同一の= the same」の意味を表す

ex) Birds of a feather flock together. (類は友を呼ぶ。)

このような使い方は、of an age(同年で)、of a trade(同業で)、much of a size(ほぼ同じ大きさで)、all of a kind(みな同種類で)などで、あまり多くはありません。

 

A 慣用句は定冠詞の場合同様、たくさんあります。

ex) all of a sudden(突然に)、in a hurry (急いで)、at a loss (途方にくれて)、

  come to an end(終わりになる)、as a rule (概して)

 

では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。

1. 姉は先日キレイなドレスを買ったが、似合わなくて今では私のものだ。

1. My sister bought a beautiful dress the other day but it didn't fit her. So the dress is mine now.

2. 私はそれについて教授に相談しようかと思っている

2. I think I will talk about it with the professor

3. これは今までに買った中で最も高価なネックレスだ。

3. This is the most expensive necklace I've ever bought.

4. 象というものは巨大な動物だ。

4. The elephant is a giant animal.

= An elephant is a giant animal.

= Elephants are giant animals.

5. 故人は大変立派な人物であった。 5. The deceased was a very respectable person. 
6. 強者は弱者を支配する傾向がある。 6. The strong tend to dominate the weak.
7. 時間単位でボートを借りられる。 7. You can hire (use) a boat by the hour.
8. その時計は一日につき5分遅れる(進む)。 8. The watch loses five minutes a day.

⇔ The watch gains five minutes a day.

9. 留守の間に、ご婦人が尋ねて見えられましたよ。 9. A lady came to see you while you were out.
10. みんな心はひとつだった。 10. We were all of a mind.

正解例では、下線を付けた部分の用法に注意して覚えて下さい。 

 

2007.12.3.

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