着せてあげてください、お父さん、お母さん。

もう決して口に出しては言えないほど長いことフリルやレースのお洋服を着たいだけ着まくり、ジェーンさんはまだ許されるとしても、自分でもあつかましいなと思いつついまだにメタモルさんまでも守備範囲に入っているとゆー、本質的に永遠のコドモなあやぼーにしてみますと、なぜ、パパやママがロリータなお洋服だからといって、着るのを反対なさるのかが全くナゾなのですが、やはり世間から浮き上がるということを心配してらっしゃるのでしょうか?

でも、女の子というものは元来オシャレしたいものだと思いますし、それぞれ好みはあるとしても、多くはフリルやレースが好きなものではないかと思います。ましてやそれが、映画やテレビ、雑誌などで取り上げられ、密かなブームを呼んでいるともなれば、そりゃ着てみたくもなりますよ。逆に、お年頃なのにオシャレに全然キョーミないって方が、ちょっと心配になっちゃいませんか?

確かに日常、こういうお洋服を着るというのは回りの抵抗があるかもしれませんが、習い事の発表会やご家族でお食事だとか観劇だとかの際に着る、特別なお洋服として一着や二着あっても決して悪いものではないと思います。ましてや、「ロリータ」と一口に言いますが、その中でも用途に応じて様々なスタイルがあり、日常でも決して派手すぎないコーディネートや着こなしというものもあるのですから。

困ったことにマスコミというのは、元来「ウケてなんぼ」の実利媒体なので、何かにつけ話題をさらうような目先の派手さばかり強調して、その実、本質は何も伝えていないという皮相的な情報ばかりをはびこらせてしまう弊害があります。拒否反応のあるパパやママの「ロリータ」に対するイメージは、まず大体このマスコミというフィルターを通した「大きな誤解」である場合が多いのではないかという気もします。けれども、一歩踏み込んでものごとを見てみると、全く違うように理解されてくることもままあるもので、無責任な報道から持たされてしまった「イメージ」だけを元にして、「そんなものを着てはいけない」と言ってしまったら、子供に「パパやママは理解がない」と言われてしまっても仕方がないのではないでしょうか。挙句、ヘンなアルバイトに手を出して、親に内緒で買っては隠れて着るなどという、実際そのような例は残念なことに掃いて捨てるほどあることのようですが、結局そういった歪んだ結果が出てしまうのは残念なことと言わざるをえません。そこで、歩み寄りです。パパやママにも、「ロリータ」というカテゴリーに入れられているお洋服には、娘に着せても良いなと思われるものもあるというところを理解して頂きたい。そのために、いくつかリーズナブルなコーディネートをご紹介してゆきましょう。

まず「特別な日のお出かけ」というコンセプトでコーディネートしてみたいと思いますが、ロリータ初心者のお嬢さんにオススメしたいのが、さきほどから上の写真でご覧頂いている「メアリ・マグダレン」のお洋服です。これなどは昨今の少女のイメージの中にある「ロリータファッション」のひとつの典型ではないでしょうか。

ピンクというお色は少々目立つかもしれませんが、メアリさんのピンクはシックな色調なので、デザインともあいまって見る人には必ず「お上品」という印象を与えること請け合いです。これが黒やボルドーなどになりますとぐっと落ち着きますが、このピンク、ピンクというお色は、特に十代ででもなければ普通着たくても着れない(私は着てますが♪)、お色です。ですから、そういう年代のお嬢さんにこそ、着せてあげてほしいお色だともいえますね。

ロリータな着こなしでは右の写真のようなバッグやヘッドドレスを合わせ、足元は同系色のショートブーツ、冬ともなれば下の写真のようなケープ付きのウールコートなどを合わせてゴージャスに、というのが定番です。これなどでしたら、ご家族でお出かけなどという時にお嬢さんが着ていると、回りも華やかな楽しい気分にしてくれると思うのですが、如何なものでしょうか。

 

 

さて、のっけからハイブロウな雰囲気だったのでビックリされてたら困るなと思いつつ続けますが、ワンピースやジャンパースカートというのは日常的ではないと思われる方もあるかもしれません。そこで、今度は、こちらも初心者ロリータさんにもオススメできるブランド「ジェーン・マープル」のお洋服を使って、「日常でも着れるロリータ」をコンセプトにコーデしてみました。

ひとつめは丸襟にレースをあしらった可愛らしいブラウスに、ウールのスカートとニットボレロを合わせています。ブラウス&スカートという合わせ方は、わりと着やすいのではないでしょうか。これなどロリータ調ではありますが、比較的ふつうっぽい印象のコーデだと思いますので、日常、お友達とお出かけなんて時にも、気軽に着れる感じですね。

「ふつうっぽい」と言いましたが、「ジェーン・マープル」は2005年に20周年を迎え、毎シーズンのコレクションを楽しみにしている熱狂的ファンも沢山いる人気ブランドですから、お洋服の造りは決してお座なりではありません。特にこのスカートなどは上質のウールに裾は一面の刺繍を施した重厚感のあるもので、ハイウエストのサイドには編み上げまであしらってあるという、よく見るととても凝った造りになっています。こうしたディテールへの拘りや丁寧な造りが、実際に着た時にそこはかとない品の良さを漂わせてくれる源になっているというわけですね。

これにクツは、下の写真のようなエナメルのストラップシューズなどをさり気に合わせると、ちょっとロリータっぽい印象が強くなって可愛いらしさが増します。シンプルにまとめたければプレーンなパンプスでも違和感なくまとまるでしょう。


 

ジェーンさんでは毎シーズン、日常から特別な日のお出かけまで幅広くカバーできるコレクションが取り揃えられています。そして、その一点一点に拘りを持って作っておられるので、それぞれ数は決して多くありません。特に雑誌に載ったりしたものは、予約完売で店頭に出ないなどということもしばしばあるくらいです。それほどの人気ブランドなので1月、7月のセール時期ともなると殆ど1日で店頭から商品が消えてしまい、そんな時期に見に行ってもなんにもない、などということもありえます。ショップで沢山揃っているところを見ようと思うと、春夏ものでしたら2月後半以降、秋冬ものでしたら8月後半以降なら、ある程度揃っているところが見られるでしょう。時期によってはそのシーズン全コレクションのカタログを見せてもらえる時もあるので、お店の方に尋ねてみられると良いと思います。

また、1つのアイテムにつき2〜3色くらいの色展開があるのが普通ですから、同じデザインでも色が変わると全然印象が変わるということもあります。上のコーデでも、スカートはチャコールと赤があって、印象は全く違っていました。素材感も写真では十分伝わらないので、良いなと思われたら、ぜひ一度ショップで見てみて頂きたいところです。

 

ふたつめは紺別珍のスーツです。スーツというとちょっと堅い感じがして、一般的なロリータのイメージからは連想しにくいアイテムですが、実はどのブランドさんでも定番的にあるもので、デザイナーさんによってそれぞれ個性的な印象を出しています。ジェーンさんが作るとかっちりした中にも遊びがあってスタイリッシュな雰囲気になりますね。

ジャケットは幅広の袖口とオリジナルの大きなボタンがアクセント、スカートには写真では分かりにくいですが、大きな共布の飾りリボンブローチが3つもついています。これは取り外しがききますので、TPOに合わせて全くシンプルなフレアスカートとしても着れます。ロリータなお洋服では、このように取り外しのきくアイテムが付属していることも多く、ゴージャスにもシンプルにも着こなせるというのも楽しいところです。ちなみに、一番上でご紹介したメアリ・マグダレンのお洋服も、JSKの裾に付いている小さなリボンや、ケープコートのファーやケープが取り外せます。

さて、合わせているブラウスは、これもジェーンさんでは定番的なジャボをあしらった豪華なもの。こういうブラウスは何にでも合わせられて重宝します。メアリさんのコーデに使っている大きなリボンが付いたブラウスも実はジェーンさんのものです。昨今、「ブラウス」というアイテムが一般的な市場からは絶滅したかのように思われますが、ジェーンさんを始め、こういうお洋服を作っているブランドさんではスカートやJSKにどうしても必要なものなので定番的にあります。

ところで、このジャケットに使われているボタンのように、ジェーンさんではオリジナルの凝ったボタンが付いているお洋服も多いですね。ボタンだけではなく、柄もののお洋服などは毎シーズンオリジナルの柄で生地から織らせているなどとというものもあって、そのあたりにも、お座なりではない拘りが感じられます。

ジェーン・マープルは20周年を超えるブランドだけにファンの年齢層も幅広く、そもそも「ロリータファッション」などという言葉が存在すらしない時からあるので、そのカテゴリーに留まらないスタイルの服作りをしていますが、ジェーンに限らず、一般にロリータのカテゴリーに入れられるメーカーさんは、このような独自のコンセプトやスタイルを持ってお洋服を作り続けているものです。決して一過性の流行でこういうお洋服を作っているわけではないというところも、ぜひチェックしておいて頂きたいところですね。それに、こういうのは十代のコの着るものだと思っておられる方も多いかもしれませんが、実は、結婚していたり、お子さんがいらしたりする若いママさんにもファンが多いのです。

ジェーン・マープルには、お嬢さん向けのコレクションと別に、もう少し上の年齢層を対象にしてデザインされているジェーン・マープル・ドン・ル・サロンというコレクションもあります。こちらは素材の上質感とオトナっぼい遊び心に拘ったスタイルがコンセプトになっているので、お嬢さんはジェーン、ママはドン・ル・サロンというのも楽しいかもしれませんね。

 

ちょっと固めの雰囲気が続きましたので、最後は春夏っぽい感じの可愛らしいサンドレスをお見せしましょう。このパンジーストライプのJSKなども、ジェーンさんオリジナルの柄物で決してヨソにはありません。人気の柄は意匠を変えて復活することはありますが、同じものは決して出ないだけに、もともと数が少ないこともあって貴重と言えるでしょう。

後ろは水玉リボンで編み上げに結ぶようになっていて、このあたりのディテールもロリータなお洋服では人気の定番って感じですね。それに帽子と似た色合いのメアリさんのニットボレロを合わせています。こういうコーデには、ふつうカゴバッグを合わせて持ちます。

 

 

ということで、ロリータな雰囲気でかつ、初心者さんでも日常に着れそうというお洋服を集めてみましたが、もっと「思い切りロリータ」という感じのお洋服も、うちのサイトでは山ほどご紹介しています。ただ、初心者さんがいきなりだと、ちょっと着こなせないかなと思うものもあるので、まずはパパ・ママがこれなら許せるかなってところから始めさせてあげては如何でしょうか。

お洋服なんて誰でも着れるようでいて、着こなしというのは一朝一夕で身につくものでもないのが本当のところです。ロリータに限らず、どんなお洋服でもオシャレなれしていないとなかなかステキには見えないもので、トシを取って高級ブランドを身に付けたはいいけれど、どこか借りてきたネコみたいなしっくりこない、成金的なみっともなさを引きずっているというのはよくあることです。それならまだマシかもしれませんが、根本的に服の着方ひとつ知らないでは、後々お嬢さんが母親になった時に困ってしまうのではないでしょうか。

いいなと思ったものから新しい世界が広がるということはままあるものですし、そういったところから個性を伸ばしてあげるというのも大事なことだと思います。どうか、「ロリータを着てみたい」というお嬢さんに、頭ごなしにダメとは言わず、まずはどんなのが着たいのか聞いてみてあげて下さい。あやぼーからも、心からお願いしちゃいます♪ どのメーカーさんでもホームページでいろいろコーデがご覧になれますから、一緒に研究するのもきっと楽しいですよ。

 

DATA 1.JSK : \26,040 / Bag : \14,490 / HD : \4,200 / Coat : \61,740 (All Mary Magdalene) / 

Blouse : \16,590 & Shoes : \41,790 (Jane Marple)

2. Bolero : \22,890 / Blouse : \16,590 / Skirt : \18,690 / Shoes : \37,690 (All Jane Marple)

3. Jacket \35,490 / Skirt : \14,490 / Blouse : \14,490 (All Jane Marple)

4. JSK \31,290 & Hat : \13,125 (Jane Marple Dans Le Salon) / Bolero : \13,440 (Mary Magdalene)

 

Essay Vol3.ロリータとコスプレの境界  <<

2007.2.28..

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