お金をかけずに英会話 - これがあやぼーのオススメ資格

<<初心者さんは、まずココから>>

その3. いまなぜ、TOEICなのか?

 

★TOEICってなに?★

英語の資格で現在最も注目されているのがTOEIC ― Test of English for international communication ― だと思うのですが、ご存知でしょうか。

そこそこ英会話に興味があって勉強しているという方なら、受けたことはなくても名前くらい聞いたことがおありになるでしょうけど、案外に知らない方もあったりします。英語と言えば未だに英検に価値を見出す方などもあって、資格を取ろうとする時に何が一番いいのか、そのへん初心者さんは悩まれるところかもしれません。そこで、あやぼーからもぜひ受験をオススメしたいこのテスト、いったいどんなもので、なぜそんなに注目されているのかについて、お話しておきましょう。

さて、TOEICはその名前が示す通り、国際的なコミュニケーションツールとしての英語力を試すテストです。これはアメリカの公的団体であるETS ― Educational Testing Service ― が開発、管理しているもので、ノン・ネイティヴを主な対象として世界約60カ国で実施されています。近年、受験者は年間450万人にも上るそうですが、個人での受験ばかりではなく、約2600の企業が社員の語学力測定などの目的で採用しているとも言われます。このように、TOEICが現在、英検よりも遥かに注目されているのは、これが先ほども書きました通り、コミュニケーション能力を測定するテストだからで、70年代から80年代にかけて国際化が著しく進んだ日本社会や企業において、「知識」としての英語ではなく、「道具」として使える英語能力が切実に求められてきた背景と合致していると言えるでしょう。

「英検1級を持っていても英語を話せる人は少ない」というのは久しく通説となっていると思いますが、あれは前章まででも書いたように、コミュニケーションに最も必要な「聴く、話す」という要素を著しく軽んじている学校英語と同じ基準で作られているものであると言って良く、従って「実用的な語学力」を判断する材料とはなりません。しかも、そのテストを作っている団体のスケールがまた大きく違うのです。

ETSは教育関係の専門家の他に、統計学、心理学など多岐に渡る分野の専任スタッフ、外部スタッフ合わせて2800名を擁すると言われ、アメリカ留学に際して多くの人が受けるTOEFL、全米の大学受験者が受ける共通テストであるSAT、更にはGRE(大学院入学共通テスト)、GMAT(経営大学院入学試験)、LSAT(法律大学院入学試験)など、アメリカの公的テストの大半を作っている機関でもあり、人員的なものだけでもこのスケールは現在の日本のどのような機関も太刀打ちができないものです。

一般に日本で作られるテストの場合、例えば大学受験においても「悪問」、つまり専門家でもどうかすると知らないような重箱のスミをつつくようなわけの分からない問題で受験者をひっかけようとする、それが社会的に問題視されたこともあるように、教育本来の目的とはあまりにもかけ離れた作り方をされているものが決して少なくありません。不幸なことですが、これは日本人のこれまでの教育や学問に対する意識の低さと通底しており、つまりは「合格するやつが偉い」という単純思考、合格することだけに価値を見出す低い精神性から生まれているとも言えます。

このような根底にある学問の在り方に対する意識に加えて、例えば英語なら英語という分野に関する幅広い分析力、つまり、その学問を習得するにあたって、どのような知識を蓄積してゆく必要があるのかということについての科学的分析力ですね。これが団体のスケールそのものに関わってくることなのですが、これも先ほど書いたように問題にならないほど違います。ちょっと考えれば分かることと思いますが、「中学、高校と6年通って英語を勉強してるのに話せるようにならない」、この厳然たる事実の前には、カリキュラムの組み方に問題があるという結論を引き出されても反論の余地があるとは思えません。国そのものがコミュニケーション能力を向上させるノウハウも確立していない状態でどのような試験を作っても、それに合格した人が実際的な能力を欠いているのは当然の帰結というものでしょう。

翻ってTOEICというテストは、決して合格、不合格を問題にする試験ではありません。これはテストの構成についてお話すれば納得して頂けることと思います。

TOEICの構成はリスニング100問、リーディング100問から成り、最高得点は990点。ですから、そもそも合格とか不合格とかいう判断が下されるテストではないわけです。このテストで何点取れるかということが、そのままその人の現在のコミュニケーション能力として数値化されるようにテストそのものが作られているのですね。評価はレベルA〜Eで以下のように分かれます。

レベル

スコア

評価

A 860以上 ノン・ネイティヴとして十分なコミュニケーション能力がある
B 730〜860 どんな状況でも適切なコミュニケーションが出来る基本能力がある
C 470〜730 日常的な会話力の素地があり、限定された範囲で業務上のコミュニケーションも可能である
D 220〜470 日常的な会話で最低限のコミュニケーションが可能である
E 220以下 コミュニケーションが可能な域に達していない

 

いつ、どこで、誰が受けても、適切に実力が数値化されるためには、テストそのものがそれを可能にする内容を保っていなければなりません。ETSにおいてはそれを可能にするために、学問そのものの知識だけではなく、それを大局的に分析研究し、統計学的に処理するという方法が行われていると言えるでしょう。従って運だとか、ヤマが当たったとかで合格したり良い点が取れたりするということも無い代わり、確実に自分の能力がどのあたりにあるのかを知ることが出来、不足している部分を勉強し直して再受験を繰り返すことで、着実な語学力の向上のガイドラインとしても機能してくれるのです。つまり、TOEIC高得点を目指してマジメに勉強していれば、自動的にコミュニケーション能力も向上してゆくという実用的かつお得な試験でもあるんですね。このように実力が正確に反映されてくるテストでないと、「能力の判断基準」としてもマトモに機能しないのは自明の理というものでしょう。

まあ、「合格するやつが偉い」という低い精神性をどこまでも引きずって、「高得点取れればいいんだろ」と単純に考え、ある種のコツとかテクニックだけを使って900とか取ってしまうヒトもあるようですが、私に言わせればそもそもこういうバカをTOEICという試験そのものが相手にしてないんです。

学問というものはまず第一に自己の向上のためにやるもので、社会的評価が第一目的ではありません。評価というものは、本質的な向上にこそついてくるものでなくてはならないのに、ここんとこをカン違いしているのが日本という非啓蒙原始社会。実際、TOEICというのは合格・不合格を出すわけでもない素直な試験なんで、「抜け道」的な点取りテクニックというのは確かにあります。しかし、そんなものをいくら使っても実力が補えるわけではなく、結局「900取っても喋れない」なんてカナシイことになってしまう。賢明な皆さまには、ココは地道に正道を通って得点向上を目指して頂きたいところですね。TOEICというのは自分自身の英語能力と向き合うテストなんで、それをマジメにやってれば自分を向上させることができるんですから。

それにしてもこのETSという機関、アメリカらしいと言えば言えますねえ。しかもTOEICというこのテスト、自国のコトバを世界で通用させるためにココまでやるかという、アメリカという国のド根性が如実に感じられます。フランスなんかは四の五の言ってないで、このくらい根性入れてフランス語を普及させる努力しちゃどーだいと思ったりしますが、日本も改めてそのへん考えて、世界に向けて日本語の習得を容易にするようなシステムを研究開発するべきかもしれません。

では次の章で、実際にTOEICというテストの内容について、ご説明しましょう。ちなみにオフィシャルサイトもありますので、興味がおありの方はそちらもご覧になってみて下さい。

2007.5.6.+5.15.

 

その2. だからコレを推薦します <<

>> その4. TOEICってこんなテスト