お金をかけずに英会話

<<中級からの学習法>>

その3.「読む」ための徹底学習術

2. 精読に挑戦しよう - ターゲットを一般的でない言葉においてみる -

 

★ニュース雑誌、古典、文学作品などを精読する★

中級の段階では、これは学習スケジュールの隅っこにちょこっと入れておくだけで良いと思いますが、特に一般的でないところにまで語彙を広げる基礎力をつけるために、「難しい本」を読んでみることもたまには良いでしょう。ただ、ニュース雑誌や古典などは十分な語彙力がない段階では、シェルダンやスティール作品のように読み流すということが困難だと思いますので、一冊全部を読もうとはしないことです。一部で良いので、よく意味を考えながらコツコツ読む。どうしても意味や発音が分からない単語が出てきたら、この場合は辞書を引くということをしても構いません。こういう読み方を「精読」と言います。

先ほど「一般的でないところにまで語彙を広げる基礎力をつけるため」と書きましたが、それはあまり出てこない単語を目にする機会を作るということです。ですから、この場合も基本的に大意を掴むことを前提として、ただ、見たことがなく、意味や発音の想像もつかないような単語に限って辞書を引いてみる。調べた単語の意味を無理に覚えようとはせず、すぐに忘れてしまっても全然問題ありません。1〜2回見るとまず単語そのものを「うろ覚え」するものですし、何回かそういうことが続くとアタマは勝手にその言葉の意味を推測したり覚えたりしてくれているものです。

上級になってからいきなりこういう学習を始めると見慣れない単語に馴染むにも時間がかかってしまいますが、中級の段階から予備的に始めておけば、「うろ覚え」を武器にどんどん語彙を広げる役に立ちます。不確実なようでいて、この「うろ覚え」というのは、大意を掴むのに案外有効なんですね。無理に記憶しようとするのはしんどいので、あやぼーのようなナマケモノ学習者にはアタマが元来持っている「繰り返し遭遇すると覚える」という脳の基本能力をフル活用する方法がオススメです。このへんも、「英語は習うより慣れろ」というところでしょうか。参考までに、あやぼーがこの種の教材として使って来たのは、以下のようなものです。

 

TIME & NEWSWEEK

上級英語の必修雑誌みいたなものですが、TIME と Newsweek は双璧ですね。英語を勉強していると、最終的にはイヤでもこのへんに行くことになります。扱われている内容は国際的で、政治や文化の色彩が強いものが多いですから、日常あまり目にしない単語も沢山出てきて、そのへんまで語彙を広げるにはグー。ただし、暗い話題も多いから、あまりこんなのばかりに集中しない方が精神衛生には良いかもしれません。

 

Selected Letters Of Oscar Wilde

あやぼーがオスカー・ワイルドの大ファンなのはAyapooなどでもよく書いてますが、これは彼のプライヴェートな手紙を集めた書簡集です。この本は、特に英語という言語の奥深さを知るきっかけとなったもので、沢山勉強させてもらいました。日常見たことないコトバが一行ごとに出てくるのも、このテの本ですね。

オスカーのような19世紀の文学者の作品は、シェークスピアからの影響も大変大きいですし、現代以上に教養豊かなヒトが多いこともあって、実に多様なコトバを使って書かれています。とにかく一行ごとに辞書を引かなきゃならない、しかも単語のイミも一筋縄では理解できないものが多いので、「精読」にはもってこい。テマはかかるし、イミ分かんないし、きーーーーーっとかなったりもしますが、そのへんを乗り越えると、英語の面白さがかなり分かってくると思います。


 

Clear and present danger - Tom Clancy

こちらはシェルダンなどと同じ現代作家、トム・クランシーのペーパーバックですが、マジで全部読もうとするとけっこう死にます。しかしこちらもエンタテイメントには違いないので、シェルダンやスティールを読破して、もっと読み応えのあるペーパーバックはないのか!! と熱血しているような方には是非お試し頂きたい。

このように、作家によってはいちいち小難しいコトバや内容を含んだ現代作品もありますので、用途に合わせて選ぶ必要があるわけです。

トム・クランシーはシェルダン以上にスケールの大きい、政治色の強い作品が多いだけに、読みきることができればかなり達成感が残ると思いますよ。「多読」程度に読み流すだけでも良いですか、「精読」の教材としても面白いと思います。


  

2007.7.2.-7.3.

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