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基礎確認篇★その9.完了形

2.過去完了

 

前章で現在完了形について詳しく解説しましたので、「完了形」が表現するのは単なる現在形や過去形とはニュアンスが異なる内容であることは、お分かり頂けたことと思います。基本的に、完了形が「経験」「継続」「完了」「結果」を表現するということは、過去完了、未来完了ともに変わりはありません。ただ、過去完了においては、「大過去」「仮定法」という用法が加わってきますので、この章ではそのあたりについても、ご説明して参りましょう。ちなみに過去完了形の基本的な型は「had + 過去分詞」になります。

 

1. 基本の4つの意味

@)経験 「(過去のある時点までに)〜したことがあった」

I could tell him about the work, since I had done that before.

(私は彼にその仕事について教えることが出来た。以前、それをやったことがあったからだ。)

現在完了は、現在を基準にしてそれより前の経験を言いましたが、過去完了は、過去に起こった何事かと関連して、それより前の経験を言うのに使います。上の例を現在完了で言った場合と比較してみましょう。

I can tell him about the work, since I've done that before.

(私は彼にその仕事について教えることが出来る。以前、それをやったことがあるからだ。)

どちらも過去の経験について言うことには違いはありませんが、現在完了が現時点と関連しているのに対して、過去完了は過去に起こったことと関連しているという点に注意して下さい。

※例文で使われているsince は、このようにbecause と同じ意味で日常よく使われます。合わせて覚えておきましょう。

 

A)継続 「(過去のある時点までに)ずっと〜していた」

I had heard nothing from him until then. (それまでずっと、彼からは連絡がなかった。)

現在完了は、現在までずっと続いている状態について言いましたが、過去完了では、過去のある時点まで続いていた状態について言います。この例文だと、例えば一週間前に久しぶりに電話があったという話題で、その電話があるまでずっと連絡がなかったんだとか、その人が先日亡くなったというような話題で、亡くなるまでずっと連絡がなかったと言うような場合に使います。つまり、過去のある時点で状況が変わったか、何らかの事件があったような時に、その時点まで続いていた状態について言うわけですね。では、上の例を現在完了で言った場合と比較してみましょう。

I've heard nothing from him since then. (それ以来、彼から音沙汰がない。=現在も同じ状態。

 

★Point★過去完了においても、動作動詞で「継続」を表現する場合のみは、「had + been + 〜ing」の形で「過去完了進行形」を使います。(詳しくは、基礎確認篇その9.完了形 1.現在完了形を参考にして下さい。)

He had been waiting for you for a long time. (彼は長い間ずっとあなたを待っていました。)

 

B)完了 「(過去のある時点には)もう〜してしまっていた」

When I came home, mother had already cleared the table 

(私が帰宅した時には、母は既に食卓を片付けてしまっていた。)

 

C)結果 「(過去のある時点には)もう〜してしまっていて、結果として〜だった」

When I arrived, he had already gone to New York. 

(私が到着した時には、彼はニューヨークに行ってしまっていた。=結果として、もうそこにはいなかった。)

「完了」、「結果」の場合も、現在完了が現時点の状況を言うのに対して、過去完了は過去のある時点において成立していた状況について言うのに使います。

以上のように、過去完了は「過去のある時点が基準となって、それより以前のことを言う」という点を押さえておいて下さい。

 

2.「大過去」と「仮定法」

D)大過去

過去完了は基本的に、「過去のある時点と関連して、それより前のことを言う」のに使うわけですが、この性質から過去に起きた二つの事柄を並べて言うときに、一方より前に起きたことを特に明示する目的で過去完了を使うことがあります。この用法を「大過去」と言います。

I remembered what she had said before.(私は、彼女が以前言っていたことを思い出した。)

 

また「大過去」は、基本的に過去に起きた二つの事柄を前後を逆にして言う時に用い、起こった順に言う時にはどちらも過去形を使って構いません。

I saw the man again whom I had met in the park before.  ... <大過去を用いて、前後を逆に言う>

(私は公園で会ったことのある男に、また出会った。)

I met the man in the park before and I saw him again.. ... <起こった順に言う> 

(私は公園でその男に出会い、後にまた会う機会があった。)


E)仮定法過去完了

仮定法については、後の章で詳しく解説しますが、過去完了も仮定法で使われることがあるので、ここでもちょっと触れておきましょう。仮定法とは、実際にまだ実現していないこと、もしくは実現しなかったことについて言う時に使われます。「仮定法過去完了」は、このうち「過去において実現しなかったことについて、事実と反対のことを仮定する」時に用いられます。例えば...

If I had had the money, I would have bought a yacht. (お金があったら、ヨットを買っていたのに。)

If you had called me, I could have helped you. (電話してくれていれば、手伝ってあげられたのに。)

このように、過去における事実と反対のことを仮定して、「もし〜だったら、〜だったのに」 という言い方が仮定法過去完了です。ちなみに、現在における事実と反対のことを仮定して「もし〜なら、〜なのに」という希望的観測を述べる用法は仮定法過去と言います。

If I had the money, I would buy a yacht. (お金があれば、ヨットを買うのに。)

If I were you, I would accept the offer. (私が貴方の立場なら、その申し出を受けるのに。)

仮定法過去では、動詞や助動詞が上例のように過去形になり、仮定法過去完了では過去完了形になっていることを覚えておいて下さい。

 

では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。

1. 私が駅に着いた時には、列車はもう出てしまっていた。

1. When I arrived at the station, the train had already started.

2. ベスは学校に入る前に、長い間ピアノを習っていた。

2. Beth had been learning to play the piano for long before she entered the school.

3. トムはそれまで、一介の事務員に過ぎなかった。

3. Tom had been a mere clerk until then.

4.  私はその物語を以前読んだことがあったので、そのシーンを思い出した。

4. I remembered the scene, since I had read the story before.

5. 私の姉は、私の生まれる2年前に亡くなっていた。

5. My elder sister had died two years before I was born.

6.私たちが再会するまでに、長い時間が経っていた。

6. It had been a long time until we met again.

7. 私が気づくまでに、肉は腐ってしまっていた。

7. By the time I noticed, the meat had gone bad.

8.  私は彼が以前私に言ったことを、思い出そうとした。

8. I tried to remember what he had said to me before.

9. やってみていれば、出来ていたかもしれないのに。 

9. If you had given it a try, you might have made it.

10. もしきみがミーティングに出ていたら、彼女と会えていただろうに。 10. If you had attended the meeting, you could have met her.

 

解答例で下線を引いた言葉は、イディオムとして慣用的に使われるものです。合わせて覚えておくようにしましょう。

go bad (腐る、傷む、だめになる)、try to (〜しようとする)、give it a try (挑戦する)

※「try」という動詞は目的語としてこのように「to不定詞」を取る場合と、「動名詞(〜ing)」を取る場合があります。一般によく使われるのは「try + to不定詞」の形ですが、これはかなり努力してやろうとするというニュアンスを持っているのに対し、「try + 〜ing」になると、「試しにちょっとやってみる」というニュアンスが出ます。場合に応じて使い分けて下さい。

 

2007.9.22.-9.23.

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