四の五の言わずに黙って暗記 - 文法なんてカンタンだ!!

基礎確認篇★その15.副詞

2.注意すべき副詞 A)頻出する副詞の用法

 

ここでは、very、much、once、yet、alreadyなどの非常によく使われる副詞について、その用法を体系立てまとめてゆきます。頻出するものだけに使いこなせるようにならないと困りますし、うまく使えるようになればワンランク上の英語らしい表現ができるようになりますよ。ここでも、リクツを覚えるのではなく、例文を暗記することで副詞感覚を養い、イメージ通りの言葉を適切な位置に自動的に入れることができるように学習しましょう。

 

.very と much

very

much

形容詞、副詞を強める

ex) She has very beautiful hair.

(彼女はとてもキレイな髪をしている)

動詞を強める

ex) I much regret the mistake.

(私はその過失を大変遺憾に思う)

 

原級を強める

ex) The car runs very fast.

(そのクルマはとても速く走る)

比較級、最上級を強める

ex) This car runs much faster than that one.

(このクルマは、あれよりずっと早く走る)

He is much the best student in the class.

(彼はクラスで最も優秀な生徒である)

 

現在分詞を強める

ex) The story is very refreshing. 

(それはなかなかさわやかな話だ)

(原則として)過去分詞を強める

ex) I'm much obliged to you.

(どうもありがとうございます)

I'm much disappointed at the news.※下の解説参照

= I'm very disappointed at the news.

(私はその知らせに大変失望している)

 

very とmuchはこのように使い分けられるわけですが、※を付けたdisappointedに対する用法に見られるように、動詞的性質を失って形容詞化している過去分詞に対してはveryが用いられることが少なくありません。例えば、a very damaged chair(ひどく傷んだ椅子) という表現では、damage=「傷む」という本来の動詞としての意味よりも、「傷んだ状態」という形容詞的な意味が強いのでveryで強めらることになります。この傾向は特に口語では強く、disappointedの他にも、tired, pleased, delighted, surprised, annoyedなど、主に精神状態を表現するのによく使われる言葉はveryで強めるのが一般的です。しかし、これらに対してmuchを使ったとしても間違いではありません。

また、afraid という形容詞はふつうmuchで強めるという例外などもあり、どのような場合にどちらがよく用いられるかという感覚は、実際の会話や英文に沢山触れることによって養うのが一番良い方法でしょう。

以上の他に、very とmuchは否定語とセットで部分否定になることも合わせて覚えておきましょう。部分否定については、こちらを参照して下さい。

 

2.ago、before、since

これらは「時間的位置感覚」を表現する言葉なので、使いこなすには感覚的に把握しておく必要があります。

@) 具体的に時を表す語と共に用いられる時 〜ago と before 〜

ago

before

今から〜前

ex) I moved here ten years ago.

(私は10年前にここに引っ越した)

※過去に起こった出来事が、現在から具体的にどのくらい前かを示すので、過去時制と共に用いられる。

過去のある時点を基準として、その時から〜前

ex) I told her that I had seen him a week before.

(私は彼女に、一週間前に彼と会ったと言った)

※過去のある時点から遡った更に前のことを言うので、過去完了時制(大過去)と共に用いられる。

 

A) 単独で用いられる場合 〜before と since〜 (※agoは単独で用いられることはありません)

before

since

今から前 / 過去のある時点を基準として、その時から前

 ex) I've never seen her before. (私は今までに彼女に会ったことはない)

I told her that I had seen him before. (私は彼女に、前に彼と会ったことがあると言った)

※単独で用いられるbeforeには、具体的な時が示されている場合同様に大過去の用法がある他、漠然と現時点より前を示すこともあります。単独ではagoを用いない代わりにbeforeが使われるためのようですが、このため単独のbeforeは過去完了と現在完了の両方に用いられます。

過去のある時点を基準として、それ以来ずっと

ex) I've never seen her since.

= I've never seen her ever since.

(私はそれ以来、彼女に会っていない)

※前置詞sinceに続くはずの具体的な時を表す言葉が脱落した形と考えられます。話の流れの中で、「いつから」ということが既にはっきりしていて、改めて言う必要がないような場合などにこの形になり、期間を伴う表現ですので基本的に現在完了と共に用いられます。このsince は文末に置かれ、ever sinceとなることもよくあります。

ここで更に覚えておいて欲しいのは、sinceには単独で用いられる副詞としての用法の他に前置詞、接続詞としての用法があるということです。副詞として用いられるのは具体的な時を表す言葉が脱落した場合ですが、それが省略されていなければ前置詞として、また、具体的な時を示す言葉であっても節の形を取る時は接続詞として用いられているということになりますね。

ex)

She's been in the hospital since last month.(彼女は先月から入院している) ・・・ sinceは前置詞

I've known him since he was a child.(私は彼が子供の頃から知っている) ・・・ sinceは接続詞

<<比較>> Since she was a mere child, she didn't know what to answer. 

 (彼女はほんの子供だったので、なんと答えて良いか分からなかった) 

     ・・・ sinceは接続詞だが、このように「〜なので(=as)」の意味に用いらる場合もある

 

3.

still、already、yet

still

already

yet

まだ(相変わらず)〜である、〜している

ex) I was still awake when he called me.

(彼が電話をかけて来た時、私はまだ起きていた)

It is still ten days before the vacation begins.

(休暇が始まるまでに、まだ10日ある)

※継続の意味を表し、肯定文で用いられる。

 

もう〜した

ex) I was already awake when he called me.

(彼が電話をかけて来た時、私はもう起きていた)

※完了の意味を表し、肯定文で用いられる。ただし、もう〜してしまったのか? の意味で驚きを表す時は、例外的に疑問文に使う場合もある。口語ではAlready? と言うと、一語で「もう?」という驚きを表現することができる。

 

まだ〜しない、もう〜したか?

ex) I haven't finished typing the letter yet.

(私はまだ手紙をタイプし終わっていない)

Have you finished typing the letter yet?

(もう手紙をタイプし終わリましたか?)

※完了の意味を表し、疑問、否定文で用いられる。

 

 

4.once、ever、never

「かつて」、「いつか」の意味で、once は肯定文、ever は否定・疑問・条件文に用いるとされているが、実際には否定文にはneverが用いられることが多い。

ex) 

I've once heard this. (これは、かつて聞いたことがある)

Have you ever been to London? (ロンドンに行ったことはありますか?)

If you ever go there, you'll be surprised at the falls. (もしきみがそこに行ったことがあったら、その滝に驚いたことだろう)

I've never heard of it. (そんなことは聞いたことがない)

 

.too と either、neither

「〜もまた」という意味で、tooは肯定文、eitherは否定文に用いられる。なお、not〜either は neither に置き換えられるが、語順が倒置になることと、一般動詞は代動詞(do、did)が代用される点に注意。

ex)

If you go there, I'll go, too. (きみがそこに行くなら、私も行く)

If you don't go there, I will not go either. (きみがそこに行かないなら、私も行かない)

 = If you don't go there, neither do I.

 

この他に、tooは「あまりに〜」「〜すぎて」の意味にもよく使われます。

ex) It's too late to say such a thing. (そんなことを言うには遅すぎる)

※「〜するにはあまりに〜だ」という意味では、このように「too 〜 to 不定詞」の形で用いられます。

 

では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。

1. 彼女は以前よりもずっと幸福に暮らしている。

1. She lives much happier than she was before.

2. 全くそれにはウンザリしている。

2. I'm very tired of it.

3. 私は、死ぬのが大変怖い。

3. I'm much afraid of death.

4. ジムは妻と10年前に出会った。

4. Jim met his wife ten years ago.

5. ジムは私に、妻と10年前に出会ったと言っていた。

5. Jim told me that he had met his wife ten years before.

6. ジムは私に、私の妻と以前会ったことがあると言っていた。

6. Jim told me that he had seen my wife before.

7. あれ以来、私はずっとフランス語を勉強している。

7. I've been studying French (ever) since

8. まだ、雨が降っている。

8. It's still raining.

9. もう、雨はやんでいる。

9. It has already stopped raining.

0.まだ、雨はやんでいない。 10.It hasn't stopped raining yet.
11.私は彼のお母さんを知りません。

 ― 私も知りません。

11.I don't k now his mother.

 ― I don't know her either. = Neither do I.

12.彼女のお母さんは美しくなかったし、彼女も美しくなかった。 12.Her mother was not beautiful and she wasn't beautiful either.

  = Her mother was not beautiful and neither was she.

13.マイクは車を買うにはあまりにも貧乏だった。

 = マイクはあまりにも貧乏だったので、車を買えなかった。 

10. Mike was too poor to buy a car.

※下線を引いた部分に特に注意して覚えて下さい。なお、2の「be tired」は「疲れて」の意味ですが、「be tired of」になると「〜に飽き飽きして、ウンザリして」という意味も出てきます。

  

2008.4.24.

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