四の五の言わずに黙って暗記 - 文法なんてカンタンだ!!

基礎確認篇★その12.代名詞

4.不定代名詞 @) all、both、one、none

 

不定代名詞の主なものは、all、both、one、none、other、another、some、any、each、either、neither などです。ここでは、これらの基本的な用法と注意点をまとめてゆきますが、この他にsome やanyがthing やoneと結びついて出来ているsomeone、something、anyone、anything なども不定代名詞の仲間に入ることを覚えておいて下さい。

 

1.all

代名詞としてのall は「全ての人(もの)」の意味で用いられ、数を表す時は複数扱い、量を表す時は単数扱いとなります。また、形容詞、副詞としても用いられ、可算名詞、不可算名詞ともに修飾しますが、定冠詞、指示代名詞、所有格の名詞や代名詞より前の位置に置かれます。これと異なり、目的語が代名詞の場合は、その目的語の後に置かれます。代名詞用法と一緒に、これらの用法や置かれる位置もセットにして覚えておきましょう。

 

@) 代名詞用法

ex) All were happy. = We all were happy.(Weと同格) = All of us were happy. (みんな、喜んだ。)

代名詞としてだけではなく、「万物、森羅万象」「一切合財の所有物」などの意味で名詞として使われることもあります。「万物、森羅万象」という意味では、「All」と大文字で始めることが多いようです。

 

A) 形容詞用法

ex) All the books here are mine. (ここにある全ての本は、私のです。)

  She helped her mother all day long. (彼女は一日、母を手伝った。) 

 

B) 副詞用法

ex) I was all alone. (私は全く一人ぼっちだった。)

  We are all happy.(みんな、すっかり喜んだ。)

 

C) 注意すべき all の位置

@ 定冠詞、指示代名詞、所有格の名詞や代名詞と共に使う時は、これらの前に置く

ex) all the books

  all those friends

  all his money

 

A 目的語が代名詞の時は、その後に置く

ex) I love my friends. I love them all. (私は友達が好きです。彼らみんなが好きです。)

 

D) 部分否定

all が否定語を伴う時は部分否定となり、「すべてが〜とは限らない」という意味になります。全否定の場合と区別しましょう。

ex) All those books are not interesting. (それら全ての本が面白いとは限らない。) ・・・ 部分否定

 ⇔ None of those books are interesting. (それらの本は、どれも面白くない。) ・・・ 全否定

 

2.both

both は「両方」の意味なので、常に複数扱いされます。代名詞の他に形容詞、接続詞としても使われるので、置かれる位置とも合わせて覚えておきましょう。また、否定語を伴う時は all 同様に部分否定となることに注意して下さい。

@) 代名詞用法

ex) Both of his parents came to the party with him. = His parents both came to the party with him (同格)

 

A) 形容詞用法

ex) Both his parents came to the party with him.

   ※形容詞用法のbothは、all 同様に冠詞、指示代名詞、所有格の名詞や代名詞より前の位置に置かれます。

  I love my parents. I love them both. = I love both of them.

   ※目的語が代名詞の時は、all 同様にその後に置きます。

 

B) 接続詞用法

接続詞の場合は、「both A and B (AとB両方とも)」の形で用いられます。A、B の部分に入るのは名詞とは限りませんが、動詞と動詞、節と節のように、文法的に同じ成分を並べなくてはなりません。

ex) Both Mary and Tom came to the party with him. (メアリもトムも、彼と一緒にパーティに来た。)

  She can both sing and dance. (彼女は、歌も踊りも両方できる。)

 

C) 部分否定

both が否定語を伴う時は部分否定となり、「両方とも〜というわけではない」という意味になります。全否定の場合と区別しましょう。

ex) Both of his parents are not at home. (彼の両親ともに、家にいるわけではない。) ・・・ 部分否定

Neither of his parents is not home. (彼の両親はどちらも家にいない。) ・・・ 全否定

  ※ Neither はひとまひまりにして否定する語なので、常に単数扱いである点に着目して下さい。

  

3.one 

@) 前出の名詞を受ける

前出の名詞を受ける代名詞としては、it と one があります。これらはそれぞれ使い方が違いますので、整理して覚えておきましょう。

one

it

任意のものを指す

特定のものを指す

物質名詞、抽象名詞は受けない

物質名詞や抽象名詞も受ける

形容詞を伴うことがある

形容詞を伴わない

複数形 ones

複数形 they

ex) My sister has a beautiful dress. (姉はきれいなドレスを持っている。)

 - She let me wear it at the party last night. 

  (昨日のパーティで私にそれを着させてくれた。) ・・・ 同一のドレスそのもの

 - She bought one like that for me. 

  (私にそれと同じようなのを買ってくれた。) ・・・ 同じようなドレスで別もの

 

A) 一般的な人を表す

ex) One must take good care of oneself. (身体を大事にしなければいけない。)

この用法では、原則としてone を受けるのはone になりますが、米語では一般にheで受けます。また、oneにsome、any、every、each、noなどが付いている場合は、he で受けます。

ex) Everyone must take good care of himself. (みんな、身体を大事にしなければいけない。)

 

4.none

none は、「誰も(何も)〜ない」の意味ですが、数を表す時は複数扱い、量を表す時は単数扱いとなります。全否定である点に注意して使いましょう。

ex) None of the girls are not students. (その少女たちは、誰も学生ではない。)

  None of the money is mine. (その金は私のではない。)

代名詞の他に、too やsoと共に用いて「全く〜でない」という意味に用いられることもあります。この場合のnone は副詞です。

ex) It's none too good. (それは全然良くない。)

 

では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。

1. 万事休す。

1. All is lost. / All is over.

2. 我々はみんなパーティを楽しんだ。

2. All of us enjoyed the party.

3. そこにあるおもちゃはみんな妹のです。

3. All those toys are my sister's.

4. 彼は一週間ずっと学校を休んでいた。

4. He was absent from school all week.

5. ずっと、何をしていたんですか? 5. What have you been doing all the time?
6. お菓子はすっかり無くなっていた。 6. The sweets were all gone.
7. 彼には二人の姉妹がいる。二人とも、とても美人だ。 7. He has two sisters. Both of them are very beautiful.
8. ケイトは有能だし、優しい。 8. Kate is both capable and kind.
9. 彼の部下がみんな勇敢であるわけではない。 9. All his men are not brave.
10. 彼の部下はみんな臆病ではない。 10. None of his men are coward.
11. 彼の妹がどちらも美人というわけではない。 11. Both of his sisters are not beautiful.
12. 彼の妹はどちらも美人ではない。 12. Neither of his sisters is beautiful.
13. 私は自転車を持っていない。だから買おうかと思っている。 13. I don't have a bicycle. So I'm thinking of buying one.
14. 彼は自転車を売りたがっている。私が買おうかと思っている。 14. He wants to sell his bicycle. I'm thinking of buying it.
15. 人は誰も幸福になる権利がある。 15. One has a right to be happy.

 

2007.11.17..-11.18.

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